第1回
「戦前の外地校について」*
1999年4月24日(土) 東京・新大久保 白線クラブ
講師:吉村維廉氏
金崇文氏
*外地校研究懇話会との共催
第1回
講演会――ジェイン・ローランド・マーティン教授を迎えて
1998年3月10日(火) 広島大学
ジェイン・ローランド・マーティン(マサチューセッツ大学名誉教授)
“The Contradiction and the Challenge of the Educated Woman”
1861年、ジョン・ステュアート・ミルは、「本をよむ女性、ことにものを書く女性は、現代の制度にたいする矛盾であり、邪魔物である」と書いている。歴史的に高等教育は男性のためのものであったのであり、女性の参入は高等教育にとって矛盾と葛藤を引き起こすものであった。男女平等論者ミルは、このような状況を克服しようとして、女性も男性と同じ高等教育を享受できるようにすべきであると主張した。
ミルが『女性の解放』を書いてからちょうど70年が経った1931年、ヴァージニア・ウルフは彼女の『三ギニー』の中で、ミルとは異なった見解を述べている。ウルフは、男性と同じ教育を受けた女性の辿る道を危惧した上で、女性には既存の価値観そのものを変革する潜在的力をもっていると考えたのである。
20世紀も終わりに近づいた現在、日本も欧米も女性が高等教育人口の半数を占めるようになり、女性の高等教育をめぐる歴史的矛盾と葛藤は解消されたかのように見える。
だが、本当にそうであろうか。高等教育は女性・男性の両者を含んだ人間のための高等教育になったと言えるのであろうか。
女性が高等教育を受ける意味について対照的な見解をとったJ.S.ミルとV.ウルフの二人のビジョンを視野に入れつつ、現在、人間のための高等教育の実現のために残されている問題とは何であるのか、とりわけ、教育をおこなう人々にとっての課題とは何であるのかを提示する。
第2回
「近代ヨーロッパエリートの比較研究」
1998年5月28日(木) 関西学院大学上が原キャンパス
渡辺和行(香川大学)
「フランスのエリート研究の動向」
橋本伸也(京都府立大学)
「帝政期ロシアのエリート教育システム」
概要については、『大学史研究通信』第15号をご覧下さい。
第3回
1998年7月28日(火) 筑波大学大学研究センター
加藤 善子(大阪大学大学院)
「戦前期における学生の下位文化としての音楽――学生の音楽愛好スタイルを中心に 」
日本における音楽評論家がほとんど音楽以外の高等教育機関を経由していることから、学生にとって音楽と高等教育文化はある程度親和的であり、音楽の社会的な意味付けに大きく影響したということを、データや回想録などから考察したいと思っています。